ミニの歴史をじっくり読んでくれた方、そもそもミニに詳しい方はご存知だろうが、ミニは最初ミニとは呼ばれていなかった。モーリスとオースチンの2つのブランドで発売された時、モーリスはモーリス・ミニ・マイナーという車名だったが、オースチンはミニではなくセブンという名前だったのだ。
これは戦前に大ヒットした小型車オースチン・セブンにあやかって名付けられたもの。モーリスはミニの名を付けたが、ミニをもじったマイナーを付け足されていた。しかしクルマが小さいことからミニという名前が浸透していったため、発売から3年後の1962年、オースチン・セブンはオースチン・ミニへと改名されたのだ。

モーリス・ミニ・マイナーは、エステートモデルのトラベラーやクーパーなどにはマイナーの名がつかなかったことから、自然とミニだけになり、やがてBLMCミニ(MkIII以降)、ローバー・ミニとメーカーやブランド名が変わっていったのだ。
こうしてミニ時代がブランドとして認知されると、ローバーが経営難になりBMWが買収するとミニだけを残して残りのブランドやレガシーは売却されてしまったのだった。そしてBMWはミニの後継車を模索していくつかのプロトタイプを制作した後で、BMWミニを完成させたのである。
BMWミニも最近はボディが大きくなり過ぎて「もはやミニじゃない!」という声も聞かれるほどになった。
クラシックミニは未だにリプロダクトされて新車感覚で楽しむことができるクルマ。ミニ本来の乗り味に触れたくなったら、まずは試乗車のあるミニ専門店でキチンと整備されたミニに乗ってみることをお勧めする。
完調なミニに乗って、自分の感覚とマッチすることを確認できたら、ミニを手に入れることを考えていい。中古車を購入して整備してもらうのか、リプロダクトミニを発注するのか。それは予算とオーナーの感性で選んで欲しい。