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ミニを大事に快適に乗る方法100(諸説アリ)#8 ガソリンはレギュラーではダメな理由とは

ミニのエンジンはOHVの直列4気筒。今ドキのエンジンはほとんどがDOHC4バルブヘッドをもち、1500cc以下では3気筒が主流だ。燃料供給はインジェクションが多いが、それでも4気筒なのにインジェクターは1つしかない。

これはキャブレターだった頃のレイアウトの名残りとも言えるもので、超コンパクトなミニのエンジンルームに収めるための苦肉の策だった。けれども、このインジェクションシステムがミニを10年近くも延命させることになったのだから、

さて、本題に入ろう。インジェクションミニのエンジンは1300ccの排気量から62ps(クーパーMTの場合、ATは52ps)の最高出力を発揮する。前述のように最近のクルマと比べると決して高効率で高性能とは言えないエンジンだが、燃料はハイオクガソリンが指定だ。

これはハイオクガソリンでなければ、この性能を発揮できない、という訳じゃあない。日本車で同じようなスペックでもレギュラーガソリンで達成していたクルマは多いし、現代のクルマたちはレギュラーガソリンでもずっと高性能だ。

ミニのエンジンがハイオク仕様なのは、日本と欧州ではガソリンの規格が異なるのが理由。日本ではガソリンはレギュラーとハイオクの2種類しかなく、レギュラーガソリンのオクタン価(燃えにくさ)はJIS規格で89オクタン以上とされており、ハイオクガソリンは96オクタン以上となっている。

ところが欧州ではレギュラーガソリンでも95オクタンと定められており、実際には90から92オクタンと言われる日本のレギュラーガソリンでは若干オクタン価が低いのだ。オクタン価が低いガソリンを使うと、エンジンに何が起きるか?

エンジンは燃焼室内に空気とガソリンを吸い込んで圧縮し、スパークプラグによって点火して燃焼させる。この点火するタイミングは燃料の燃焼しやすさに合わせて定められているのだ。燃えにくいハイオクガソリンでは一番効率のいいポイントで点火させることができても、燃えやすいレギュラーガソリンでは早く燃えすぎて不具合が起きてしまう。

一般的なエンジンの場合、異常燃焼となるノッキングを検知すると点火タイミングを遅らせる制御が入って、出力は落ちるもののエンジンを保護することができる。ところがミニのインジェクションシステムには、そうしたノッキングを回避する機構が備わってしないのである。

したがってレギュラーガソリンを入れて走らせてしまうと、燃焼がスムーズにいかず調子を崩したり、最終的にはエンジンを壊すことにつながってしまう。ハイオクガソリンにレギュラーが少し混ざるくらいなら問題ないが、ほとんどレギュラーガソリンで走ってしまうことは、ミニのために良くない。始動性やスムーズさなどに悪影響が出てくる。

燃費を良くしようと思うならレギュラーガソリンを入れるのではなく、燃料系のメンテナンスをしてやる方が効果的だ。インジェクターなど燃料系のクリーニング効果のある添加剤をガソリン給油時に入れたり、燃料フィルターやスパークプラグなどの定期的な交換などでコンディションを維持することが、燃費向上につながるのだ。

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