もしもクラシックミニに対する知識や経験があったなら、彼女の今とは違っていたのかもしれない。荒木渚沙さんは、アンティークなモノが好きなイマドキの女子だ。
「元々旧車が好きで、ミニの前は光岡のビュートに乗っていました。バイクもスズキのバンバンに乗っているんです」。バンバン、この名前を知っているのは60代以上のバイク好きくらいではないか?
筆者が免許を取得した頃には、すでにバンバンは生産中止(その後2002年に復活しているが名称だけで内容は別物)されており、マニアの間では未だに人気の高いバイクだ。


彼女と愛知県三河地区のミニオーナーズクラブ「リトルダイナマイト」との出会いは、座談会記事を参照してもらうとして、色々と幸運を引き寄せたのは、彼女の積極性によるものが大きいようだ。
会社の先輩(と言っても大きな会社なので面識はなかったらしい)がリトルダイナマイトのリーダー小島さんだったことから、日本最大のミニのイベント「ミニデイ」に突然一緒に行くことになり、そこでミニの魅力に目覚めたのだった。
「ミニ、ミニー」と言いながらたくさんのミニが敷き詰められた会場内を歩き、オーナーさんに頼んでシートに座らせてもらったり、写真を撮ったりして、すっかりミニが欲しくなってしまったのだった。
そこで小島さんはセブンカーズの青木社長に、ミニを欲しがっている女の子がいると伝えた。すると「ちょうど良いミニが入庫したから見においでよ」と言ってくれたそうだ。
そして彼女が見るまでは、HPなどで在庫車として公開することを控えてくれたそうだ。そんな彼女を待っていたミニは、オールドイングリッシュホワイトのMk1仕様。しかもアウターヒンジにドア角丸という本格的な仕様。



セブンカーズが渾身の作り込みで仕上げたビンテージ仕様をたまたま手放すことになり、次のオーナーを探す機会にたまたま遭遇したのである。
「ガレージに案内されて、ミニを見た途端、即決しました」と荒木さん。小島さんもその時の彼女の思い切りの良さには驚いたという。
ホンの数週間前までは知り合いでもなく、ミニも良く知らなかった。それがミニデイに誘われ、ミニが欲しくなったら、いきなり本格的なMkI仕様を手に入れ、ツーリングにも参加することに。
リトルダイナマイトの連中も、彼女の急成長ぶりには驚くばかりだ。「すっかり天狗になったな、お前は小天狗か!」と総ツッコミを受けることになり、それがそのまま彼女のハンネになった、という訳なのだった。
しかし実態は、若い荒木さんが加わってくれたことで、おじさんクラブ員はパーツのプレゼントしたり、メンテナンスを手伝うなど、すっかりお姫様扱いなのである。



そのため最初からMkI仕様ではあったものの、個性的なウッドのインパネやステアリングなど当時モノが盛り込まれて、さらに個性的で充実したカスタムミニに進化し続けている。
最初はボディカバー頼りだった保管も、後にガレージも借りることができている。「小さな車庫なんですけど、ミニとバイクを入れるにはピッタリです」と充実したミニライフを送っているのである。








