60年代の英国では、ミニをベースとした様々なカスタムカーがコーチビルダーたちの手によって、作り上げられた。その中には、豪華な内装を奢った高級仕様もあれば、カブリオレやハッチバックなどボディ自体を改造されたものも少なくない。
一時はミニのワークスチームを担っていたブロードスピードも、ミニをベースにスペシャルなモデルを作り上げていた。それはボディの後半を完全に作り直したファストバックでブロードスピードGTと名付けられた。
それをオマージュして制作されたのが金沢のガレージミニマムが手掛けるオリジナルブランド、トラファルガーのクーペモデルだ。およそ8年前に開発されたこのモデルは、ミニのリアエンドはそのままにルーフとトランク、リアクォーターウインドウを作り直して、クーペスタイルに仕立てたもの。

ルーフパネルとCピラーをFRPで新たに製作して、ノーマルのミニのルーフとピラーをカットして接合しているのだが、まったく違和感を感じさせないほど、自然なフォルムに仕立てられている。しかもリアウインドウやトランクリッドはノーマルのミニ用を上手く利用しており、ボディパネルの製作を最小限に抑えることで、製作費用を抑えて製品化することに成功したのだとか。
ブロードスピードGTはリアエンドを伸ばしたロングテール仕様だったが、トラファルガー・クーペの方が自然な印象でミニのクーペとして仕上げられていると思ったのは筆者だけではないだろう。
トラファルガー・ブランドでは7作目となる可愛いクーペは、最終的に4台しか製作されなかったというから、非常に貴重なカスタムミニとなったことは間違いない。フロントマスクは明らかにミニなのに、ルーフの後半からツルンと滑り降りるようにトランクリッドへとスラントするシルエットは、ミニの可愛さはそのままに、スポーティな雰囲気を高めている。

しかもアウタースキンだけでなく、ルーフライニングも専用品をあつらえており、4人乗りの上質なクーペとして内装も作り込まれているのだ。
ちなみにトラファルガー・クーペが生み出されるもっと前に、オーストラリアでもシドニーにあるブックルというショップがミニ・モナコという名前で、同様のファストバック・ミニを製作したという記録もあるそうだ。しかしミニ・モナコは現存するかも分からず、少なくとも日本には存在しない。
日本というクラシックミニが充実した環境で、こうしたクーペモデルが作り上げられたことは、日本のミニ好きにとって誇っていい出来事の一つではないだろうか。









