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ミニ専門店主人がホンネで語る、ミニ選び&メンテのコツとは#1

ここは埼玉県所沢市にある、小さなミニ専門店ガレージ・プラウド。店主の佐々木さんは、今日もツナギを汗びっしょりにしてミニをテキパキと整備している。

素人が見ても、何がどこにあるのか分からないほど、整備工場の中は所狭しとミニのパーツと工具が詰め込まれている。

トラックの箱ボディを加工した事務所も冷房こそ効いているものの、パーツや書類などがぎっしりと積まれ、ごった返している状態。それなのに顧客には女性オーナーもたくさんいると言うのだから、ちょっと信じられない。

「ウチは女性オーナーの比率が高いんだよ。何でか分からないけどさ、やっぱり周りのミニ屋より安いからじゃないのかな」と佐々木さん。

きっと店主の飾らない性格と的確な修理、それとユーザーのことを一番に考えてくれる対応ぶり。修理の原因と対策を説明する時も、素人にも分かりやすい表現や言葉で例えるようにしている。それにリーズナブルな費用が若者や女性ユーザーに喜ばれているのだろう。

最近日本の夏は暑過ぎるくらいですけど、お客さんのミニでオーバーヒートするケースが増えてたりしないんですか? 以前話を聞いた時には、エンジンの内部まで洗浄すれば、オーバーヒートしないって言ってましたよね。

「うちのお客さんでは、オーバーヒートするミニはほとんどないね。やっぱりエンジンは徹底的に水路を洗浄することかな。ウチではシリンダーブロックの内部にスチールブラシやリューターまで使って、サビや堆積物を削り落としてます」。

今の話だと、エンジンの水路洗浄をするには、最低でもヘッドを開けて。エンジンを下ろさないと、絶対無理ですか ?

「エンジンを下ろさないと難しいです。やっぱりオーバーホールと一緒にやるぐらいじゃないと、 二度手間、三度手間になっちゃうんですね。結局、ウォーターポンプで回してる水圧じゃ落ちないんですよ。ラジエター洗浄剤を入れたって上っ面、表面だけの汚れしか落ちないからね」。

「ボディだってそうじゃないですか。結局はペーパーかけてある程度サビを落とさないとサビ転換剤なんか錆びた上に塗ったって、 その浮いてる錆びを転換させてるだけで中には染み込まないからね」。

「サビを落としてないで塗るだけとか、お手軽なもんは、やっぱりその場しのぎになっちゃうね。だからウォータージャケットとか水路の色んなとこには、ワイヤブラシとか突っ込んだりしてゴシゴシ擦って磨くこともあります」。

その上で定期的にLLC(ロングライフクーラント)を交換することでサビを防ぎ、ラジエターの内部をキレイな状態に保てれば、エンジンとラジエター、そして外気の熱交換が上手く循環して水温は安定するのだ。

エンジンのオーバーホールと聞くと、シリンダーのボーリングやヘッドの面研、バルブのシートカットやクランクメタルなどの品質を重視するのが一般的だが、ミニの場合鋳鉄ブロック&ヘッドで設計も古く、メンテを怠ると水路はドロドロに汚れてしまうのだとか。

「ちゃんとメンテナンスされているミニの水路はキレイですね。水温も安定しているし。ウチでオーバーホールしているミニは、純正のラジエターでも全然平気。みんなレース用とか強化品とかって言葉に弱いけど、騙されちゃダメですよ」。

 しかも水温が低く安定していることによって、オーバーヒートを防ぐだけでなく様々なメリットが生まれる。

「水温油温が低いから、オイルシールも長持ちするんですよ。温度が高いエンジンのオイルシールはカチカチになっちゃうから、オイル漏れを起こしやすいけど、ウチでメンテナンスしているエンジンはオイル漏れなんてほとんど起こさないですよ。エンジンオイルはワコーズの化学合成油だけど、まったく問題ないですね」。

ところで、最近のミニのトラブルで、 変わってきたこととかなんかあるのだろうか。

「ここ 5年ぐらいで感じるのは、やっぱ古くなってきたから、もう今まで壊れてないとこ壊れたりしますね」。

「もうインジェクションミニ 定番の故障だったら、直せるお店はいっぱいあんですけど。やっぱり一台 1台ちょっと症状が違ったりとかあるじゃないですか ? なんか複合的な原因だったり、そうすると結構お手上げだったりしますね。難しいのは音問題かな」。

「音とかね、振動とかそういうのっていろんな原因が絡みあったりするからね。こう原因追求するだけでもかなり厄介ですよね。伝わり方によって本当は違うところから落としてるのに、別の場所から聞こえることもありますしね」。

それを解決するヒントとなる方法も教えてくれた。やっぱり、こうしたノウハウがあることが同店の強みだ。

「陸橋とかあると側道がコンクリートの壁になってるところがあるじゃないですか。 窓を開けて聞くと、車の外からクルマの音が反射して聞こえるから異音に気付きやすいんで、たまにやった方がいいと思いますよ」。

なお店主は一人で店を切り盛りしているので、電話などでの相談は遠慮していただきたい。電話で予約をとって来店し修理やレストア、カスタムの相談をしてもらうのは大歓迎だ。

ガレージ・プラウドのHPはこちら

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