最近のクルマは騒音規制が厳しくなって、スポーツマフラーを装着しようにも、ほとんど音量を上げられない。そのため排気効率を高めるにも制限が大きく、せいぜいちょっと抜けをよくして音質を低音にすることで、音量を抑えてスポーティさを演出するくらいの特性しか実現できないことが多い。
ところがミニは、1960年代から日本で販売され続けて、騒音規制が厳しくなる前に販売を終了しているため、マフラーの音量規制はかなり緩めだ。そのため普通に販売されているスポーツマフラーであれば、大抵の商品が車検に対応する(なかには競技専用品もあるのでご注意)。
マフラーに限らずミニの部品は、英国で実績や伝統あるブランドの製品と日本で開発、生産された製品の2種類が存在する。マフラーに関しては純正品は廃番になっているけれど、純正マフラーに準じた製品を輸入商社やミニ専門店の団体が用意してくれている。
それ以外にも英国では様々なチューニングブランドやマフラー専門メーカーがミニ用のマフラーを用意している。それは同じような製品でもマフラーのテールパイプデザインがちょっとずつ異なっているなど、オーナーのこだわりや好みが反映できるようになっているのだ。
気を付けたいのは音量だけでなく、音質によって車内での聞こえ方も変わってくるということ。特にリアシートに乗員を乗せることがある場合は、こもり音に注意したい。音の大きさだけでなく、特定の周波数域の音が大きいと鼓膜を圧迫するようなこもり音となって、非常に不快なのだ。
ミニのようにリアウインドウより後ろが短い2ボックスのクルマでは、マフラーの種類によってはこもり音が発生しやすい。
純正タイプのマフラーは比較的こもり音の発生が少ないようだ。さらにキングスロード名古屋がフジツボと共同開発したマフラーも、心地よい排気音が車外後方から響き、不快なこもり音は発生しなかった。
クラミニ編集部のお勧めその1は、英国マニフロー社製のマフラー。これはスチール製ながらも素材の鋼板の板厚が厚く、作りがいい。乗り方にもよるが、腐食して穴が空いてしまうというには相当な時間が必要なほど、頑丈だ。テールパイプなどの種類が豊富なだけでなく、音質も落ち着いていて英国車らしいサウンドを響かせてくれる。
お勧めその2は、キングスロード名古屋がフジツボと共同開発したオリジナルマフラー。こちらは耐久性の高いオールステンレス製で、フランジなどの作りも丁寧。肝心の音質に最大限こだわっており、かつてのクーパーSが奏でていた音質を追求。しかも、心地よい排気音が車外後方から響くので、室内に不快なこもり音は発生しない。



エンジンオイルを交換するくらいのスキルがあれば、マフラー交換をDIYで行うことも可能ではある。その場合、場所と道具をしっかりと確保して、安全には十分注意して作業してほしい。
気持ちのいいドライブのためには、エンジンやマフラーが奏でるサウンドも重要だ。ぜひこだわって、お気に入りのマフラーを見つけてほしい。








