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ミニを大事に快適に乗る方法100(諸説アリ)#3

フューエルトラップ! ミニにしかない機構を理解せよ

インジェクションミニは他のクルマと同様、コンピュータによって燃料の噴射量や点火時期を制御している。そのためにはエンジン回転数、冷却水温度、アクセル開度、吸入空気量などの情報が必要だ。

特に吸入空気量は、酸素の量が決まるだけに燃やせる燃料の量も決まり、触媒の働きも適正化するために重要なのだ。その吸入空気量を測定する方法も、実は色々な方法があって各自動車メーカーはそれぞれ工夫を凝らしている。

最も古典的なのはフラップ(可動式の蓋)式で通過する空気が蓋を押し除けるため、蓋の角度で空気量を測定する。ほかにはホットワイヤー式と言って、電熱線を通過する空気が冷却することでその抵抗値で空気量を測定したり、カルマン渦式といって空気の流れを光学的に読み取るものなどがある。これらはエアフローメーター(空気流量計)と呼ばれるセンサーだ。

インジェクションミニの場合は、そうした流れる空気の量を測るのではなく、流れる空気の圧力から吸入空気を推測する。インジェクションのシステムにスペースを割く余裕がないため、スロットルボディの流路に小さな穴を開けて、そこからパイプを通して吸気系の負圧を検知しているのだ。

こうしたやり方はミニに限ったものではなく、幅広く色々な車種で使われているが、ミニの場合は負圧を計測するセンサーがECU内部に組み込まれている。さらにインジェクターがスロットルボディの上流にあり、吸入空気はすでに混合気になっていることが特徴的だ。

この混合気をそのままECUへと取り込んでしまうのは、色々と問題がある。そこでミニの吸気圧センサーの手前には混合気から燃料を取り除く部品が組み込まれているのだ。それがフューエルトラップ。

文字通り燃料を捉えるフィルターだ。これはパイプをECUに繋げる途中に一度、このフューエルトラップに接続して、できるだけ空気だけ圧力だけを伝えるようにするのである。

基本的には負圧なのでパイプ内の空気が吸気系へ吸い込まれる方向なのだが、吸気にも脈動があるので実際には混合気がフューエルトラップ内に侵入する。内部構造は至ってシンプルで、単にスポンジ状のフィルターを介すだけなのだが、これだけで吸気圧センサーやECUを保護する効果を発揮する。

したがってインジェクションミニの場合、エンジンのコンディションを維持するためにはこのフューエルトラップというシステムがあることを忘れないことが重要だ。フューエルトラップに接続するためにパイプにはL字型のゴム製のジョイントが刺さっており、ゴムだけに劣化が避けられない。このジョイントが劣化してクラックが入ることで二次エアを吸ってしまうことによるトラブルも多い。

車検毎に交換する必要はないが、車検2回で交換するくらいの気持ちで点検することが大事だ。フューエルトラップもスポンジの劣化による目詰まりなども起こるので、定期的に交換したい部品だ。

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