ミニは軽自動車より小さなボディに1.3Lの直列4気筒エンジンを搭載している。これは考えてみれば、かなり贅沢なことだ。
ただしこのA型エンジンは1951年に登場した基本設計が非常に古いエンジンで、バルブ駆動はプッシュロッド式のOHVで1気筒あたり2バルブ。燃焼室形状も吸排気ポートも決して効率のいいものではない。
それでも「ミニってエコカー?」と思わせるほど、燃費が良かったりする。というのも車体が小型軽量であるため、走行に必要な運動エネルギーが少ないのでエンジンの負担も少ないから。
だから最近のクルマのように燃費を表示してくれるようなことはないが、ほとんどのミニオーナーは、燃費を気にすることなくミニを走らせている。
ちなみに走行条件などによるが、インジェクションミニの平均燃費は15~20km/Lくらいと言われている。それよりも極端に悪ければ、運転の仕方が悪いか、エンジンや駆動系に問題を抱えている可能性が高い。
15km/Lでも、ちょっと前のエコカーくらいの燃費で、高速道路なら20km/Lオーバーも珍しくない。オクタン価の問題で日本ではハイオクガソリンを使用しなければならないけれど、趣味車と思えば十分納得できる数字じゃないだろうか。
軽自動車と比べれば維持費はちょっと多めかも知れないが、長く乗れることを考えればエコだしリーズナブル。5年ごとにクルマを買い換えるようなカーライフに疑問を感じている人には、是非ともミニを飼ってみてほしいと思うのだ。
クルマに対する姿勢、価値観が変わる。単なる移動の手段から、運転することが楽しくなる、ミニと移動すること自体が楽しみになる。それはペットの散歩に似た感覚なのかもしれない。