クラシックミニは1959年に登場した時点で小さいクルマ、ミニだった。全長は3.05m、車幅は1.41mしかなく、タイヤは10インチホイールに履かれた145SR10というもの。当時こんな小径の自動車用タイヤは存在しないので、ダンロップはミニのためにわざわざタイヤを開発して用意したほどだ。
それでいながらミニは大人4人が乗れて、荷物も積めるというのがミニの魅力。

低重心で足回りを緻密に作り込んだこともから、走行性能が高まったこともミニを長生きさせることにつながった。その潜在能力に目を付けたのは、ミニクーパーを生み出したジョン・クーパーだった。
60年代には英国や日本のモータースポーツで大排気量車を相手に大立ち回りを演じ、排気量別クラスでは何度もチャンピオンに輝いたこともあるほど、速さと強さを誇ったミニ。だから未だにワンメイクレースが盛んに開催されているし、どこを走っていても楽しい。
一人で運転を楽しんでいる時にはスポーツカーに、4人で移動している時にはファミリーカーに。そんな柔軟性のあるコンパクトカーは、ミニ以外にはなかなか存在しない。
速さではなく、ダイレクト感の高さからくる人車一体感が味わえるのがミニの魅力なのだ。

これは低重心、軽量コンパクトなボディだからこそ成せることゴーカートフィーリングとも表されるこのハンドリング性能は、現代のBMWミニにも受け継がれているミニの特徴。けれども現代の大きく重くなったBMWミニとクラシックミニとでは、実際の動きはまったく別物。
それだけにクラシックミニに代わるクルマはない、ということになるのだ。
ミニ専門店では試乗車を用意しているところもあるから、問い合わせして予約して、まずはそのキビキビとした本物のゴーカートフィーリングを味わってみてほしい。