ATミニ専門店のセブンカーズは、ビンテージ仕様へのモディファイも得意。そのため多くのミニオーナーがビンテージ仕様へのカスタムを依頼するほどだ。
しかし、今回紹介するのは、そんなビンテージ仕様とは一線を画すカスタムミニなのである。
「日本のミニオーナーとしてはちょっと珍しいタイプだよね。こういうミニを作る人は」と語るのはセブンカーズの青木社長。確かに英国とかフランスのミニオーナーがカスタムしそうな仕様に見える。
白いボディを強調するかのようにエアロパーツが装着され、ルーフはゴールドにペイント。ミニの個性的なディテールが引き立ち、存在感はこの上ないほど高い。しかもこのミニ、特別なのはルックスだけではないらしい。


「チューニングヘッド、それもリチャード・ロングマンのヘッドを入れてるんだよ。それに合わせてエンジンもバランスどりしてるから、よく回るし出足から速いよ~」と青木社長。
ATミニは最近のクルマのATと違って1960年代に作られた機械式4速AT。当時ATは2速もしくはせいぜい3速しかなく、850ccのミニを軽快に走らせるために4速ATが開発されたのだ。
だが、それは1300ccになってもクラッチ板を1枚増やしただけで、増大したトルクに対して容量不足は否めない。そのためシフトショックが大きかったり、消耗が激しく寿命を縮めてしまう問題がある。
セブンカーズが独自に改善した快適ATは、ミニのATの欠点であるシフトショックや加速の重ったるさ、耐久性や信頼性の低さを解消している。インジェクションミニのエンジンが本来のコンディションを維持していれば、驚くほど軽快かつスムーズに走ってくれるのだが、さらにチューニングへの余裕もあるのだ。
そのためチューニングヘッドや吸排気のチューンを施したATミニもセブンカーズでは数多く手掛けている。この白いミニは、そんなチューンドATミニの中でも飛び切りの速さを誇るらしい。
ロッカーカバーも黒の結晶塗装でシックかつ精悍な印象を放ち、リチャードロングマンのチューニングヘッドであることをさり気なく主張している。
「ブレーキも4ポッドキャリパーを入れて強化してあるよ」と青木社長。
ディッシュタイプの12インチホイールが入っているおかげでキャリパーは見えないが、4ポッドキャリパーを装着しているから、ストッピングパワーも強力そのもの。
足回りもコイルサスにしてフロントにはスタビライザーを追加している。つまりワイドなボディに対してロール剛性も高めているから、コーナリングも気持ち良さそうだ。
二人のオーナーが専門店を介して受け継いだカスタム
こんなにこのミニが個性的なのには理由があった。
「このATミニは、二人のオーナーが関わったことで、こんなスタイルに仕上がったんだよ。一人目が白い内装のミニを外装も白のスポーツパック仕様にして、二人目のオーナーがエアロパーツを追加してチューニングしたんだよね」。
ホワイトダイヤモンドのボディカラーは一人目が要望し、白いスポーツパック仕様としてまず仕上げられたのだとか。
それを受け継いだ二人目のオーナーは、更なる過激なモディファイへと進化させたのだ。スポーツパックのオーバーフェンダーに加え、前後バンパースポイラーとサイドスカートを装着したのだとか。
しかもチョイスしたエアロは、ミニマルヤマのジョンローズ・エアロキットだ。ジョン・ローズは1960年代、BMCがミニでツーリングカーレースに参戦していた頃のワークスドライバーを務めたレーサー。F1GPにも参戦経験があるほど速さには定評があったが、引退後はあまり恵まれた人生ではなかったようだ。


ミニマルヤマの丸山和男社長は、そんなジョン・ローズとも交流があって、ビジネスの一つになれば、と名前を冠したエアロパーツを開発したのだとか。そんな心温まる話だけでなく、エアロパーツの出来も秀逸。
ノーマルバンパーのボリュームを増やしたような丸みのある前後のスポイラーは、スポーティに感じさせつつ、ミニらしさを失わないギリギリのバランスが保たれている。
さらにフロントグリルもMkIIIの六角形フレームに、MkIのさざ波グリルを組み合わせるというアレンジぶり。これによって、フロントマスクはモダンな印象とクラシカルな印象が融合した、なんとも不思議な雰囲気に仕立てられている。
ホイールは12インチのJBWクラシックレンジOS4 TURBOを履く、12インチのディッシュホイールのディスクに合わせてルーフをゴールドにペイントしているのだ。


フロントグリルやルーフのカラーチェンジをしたり、ボディにストライプを追加するだけで、また全体の雰囲気は大きく変わるハズ。そう考えると面白いミニだ。
我こそは、このカスタムATミニをさらにドレスアップさせてみせよう、という方は、セブンカーズに問い合わせてはいかがだろう。
このカスタムミニを手に入れ、さらに洗練させるオーナーはどんな人なのか。クラミニJPとしてはとっても気になるのであった。





