愛知県三河地区の某所にある隠れ家的ガレージ。ここは小島一仁さんの自宅ガレージであり、ミニのオーナーズクラブ「リトルダイナマイト」の本拠地だ。
元々はご実家の商売で使われていたスペースをクラブ員でDIYして大改装。ウッディな雰囲気の素敵なガレージへと作り変えたのだ。
そんな小島さんがミニに魅せられたのは、幼少期のある体験が影響しているそうだ。
「自分が最初にミニに魅せられたのはルパン3世なんですよ。子供の頃、アニメ「ルパン3世」を見ていて、登場人物の峰不二子の愛車としてミニが登場して、その走りに魅せられちゃったんですよね」(小島さん、以下同)。
そして高校生になった頃には、幼馴染でもあるナスコジさん(茄子色のミニに乗る小島さん)と一緒に「免許取ったらミニに乗るんだ~」なんて言いながらミニのカタログや雑誌を眺めていたそうだ。
しかし現実はそう甘くはなかった。当時、小島さんは実家の商売を手伝っており、ミニを置くようなスペースもなかった。また小島さんは若くして結婚することになり、しばらくは家庭優先の生活が続くことになる。そのためクルマ趣味はお預けとなったのであった。
しかしそこから十数年が経ち、実家の商売に見切りをつけることになる。小島さんは外に勤めに出ることになり、通勤用のクルマが必要になる。
「最初はミニバンでも買うかなぁ、と思っていたんですよ。でも嫁にそう話したら「私はあんたにそんなクルマに乗ってほしくない」って言ってくれたんです。なので「俺、死ぬまでに1回でいいからミニに乗りたいんだよな」って話したら「好きなクルマ乗りなよ」って言ってくれたんですよ」。
なんと奥様が背中を押してくれるとは。それまで実家の仕事や家庭を優先していた小島さんのことを労っての言葉だっただったのだろう。
「そんなこと言われたら「マジか!」と喜びますよね。すぐに東京に行ってミニマルヤマにジョンクーパーミニを探してもらうようお願いしに行きました」。
そう、それまでの想いから小島さんはミニに強いこだわりを持っていた。「ミニを買うならジョンクーパーミニ、それもボディカラーは赤」と決めていたそうだ。そして、その頃からミニのパーツ、自分のミニに取り付けたいアクセサリーなどをコツコツと買い集めるようになったのだ。
こだわりが強過ぎて、希望のミニはなかなか見つからず
しかしそこから3年間、小島さんが追い求めるミニは見つからなかった。ジョンクーパーミニ自体は定期的にミニマルヤマに出物があるのだが、赤いボディカラーではなかったのだ。
「ところが、大阪のミニ専門店がジョンクーパーミニの赤を在庫しているのを発見したんですよ。迷ったんですがミニマルヤマの丸山光太郎氏に相談すると「出物があったんなら、そちらで購入してください。ウチに遠慮はいりません」と言ってくれたんです」。
3年以上も探し続けて、やっと手に入れた赤いジョンクーパーミニ。しかし購入したのは大阪のミニ専門店では、日常のメンテナンスには利用しづらい。
「ちょうどその頃、会社の研修で1週間、小牧市に泊まり込みで滞在することになったんですよ。夕方には研修は終わるので、それからセブンカーズさんを訪れて、結局1週間毎日通っちゃいました」。
セブンカーズの青木社長は毎日来ても「やぁ、いらっしゃい」と暖かく迎えてくれて、ミニのことを色々教えてくれたそうだ。


「話してたら、もう本当に青木社長はミニを大事に考えてるし、何よりも来るお客さん、来るお客さんのミニがみんなキレイなんですよ」。
「訊いたら「ウチはもう徹底して直してて、修理修理って続くことはなるべく避けてるんだよね。その次の修理考えるぐらいだったら、自分の好きなようにドレスアップした方が楽しいよね」っていう話を青木社長からにしてくれたんですよ」。
「それでもう、自分の求めるスタイルと青木社長が今まで培ってきたやり方っていうのが、本当にマッチしたんです」。
それからしばらくして、小島さんのミニも色々手を入れる必要が出てきた。
「エンジンをオーバーホールしてもらおうと思って他のミニ専門店に相談したら、エンジン載せ替えを勧められたんです。でも納得いかなかったので、セブンカーズさんに相談したら「ジョンクーパーのエンジンをオーバーホールしよう」と青木社長が言ってくれたんですよ」。
青木社長は、小島さんのジョンクーパーミニへのこだわりを理解し、そのエンジンを復活させてくれたのだ。さらに足回りもオーバーホールされ、見違えるような走りを手に入れた。



リペイントを機にMkI仕様とカスタムを敢行
外装に手を入れることができたのは、さらにそれから数年経ってからだ。
「購入して5年くらい経った頃ですかね。あちこちヤレて来たので、一気に手を入れてやることにしたんです」。
塗装をやり直してもらうと同時にMkI仕様へとモディファイ。それはビンテージ仕様が得意なセブンカーズならではの仕立てで、実に丁寧な仕事ぶりが感じられるものだ。
内装もオーバルのセンターメーターを組み込むだけでなく、運転席側にはワークスタイプのダッシュパネルが取り付けられ、たくさんのサブメーターとスイッチが組み込まれた。
「自分、ゴチャゴチャしてるのが好きで、これまで集めたメーターとか色々取り付けてもらいました。でもエンジンスターターボタンはダミーです(笑)」。
BMC純正オプションのリクライナーをリプロしたニュートンコマーシャルのシートや、4本スポークのマウントニーのステアリングホイールなど、小島さんが集めたこだわりのアイテムが、そこここに散りばめられている。



「自分、メッキが大好きなんで、無駄にメッキ部品をつけてます。メッキ屋さんに「こんなとこメッキかけるの?」って言われるんですが、よくしてもらってるんですよ」。
モーリスのボンネットバッジにジョンクーパーのエンブレムを加工した自作のボンネットバッジや、内外装のパーツにもクロームメッキが目立つ。
そしてフロントグリル中央にはフォグランプ。漫画「GT roman」に登場する三つ目のミニに影響を受けて取り付け、ネット上のハンドルネームは三ツ目を名乗っている。作者の西風先生にも公認されているそうだ。


実家の倉庫を改装したこのガレージには、そうしたミニのためのパーツやグッズのほか、リッターバイクやヴィンテージヘルメット、工具、そして隠れ家的な雰囲気を高める海賊をイメージした船舶関連のグッズ、クルマ関連のポスターやブリキの看板などが空間を彩る。
ここで次回ツーリングやカスタムの相談をしたり、各々で寛いだりと、ここはリトルダイナマイトのメンバーだけの特別な空間であることが伝わってくる。


もう外装を仕上げてもう11年目になるが、ガレージ保管と小島さんの手の掛け様から、そのコンディションは極上のまま。むしろ赤いジョンクーパーミニは光り輝き、その存在感は増すばかりだ。







