クラシックミニに限らず、クルマに履かせるホイール選択は、見た目や走行性能、快適性に大きく影響を与える重要なポイントです。クラシックミニは小さなクルマなので、ホイールサイズの選択肢が少ないと思われがちですが、オーバーフェンダーと組み合わせることでリム幅は色々と選ぶことが可能ですし、装着可能なホイールサイズとしては主に10インチ、12インチ、13インチがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
■ 10インチホイールの特徴
クラシックミニが登場した当初に履いていたのが10インチホイールで、最も「オリジナル」に近いホイールです。ミニの可愛らしさを最も表現できるホイールと言えるでしょう。



メリット
1.軽快なハンドリング:小径ホイール&ハイトの高いタイヤにより乗り心地が良く、低速でもクイックな操作感を得られ、キビキビとした走りを楽しめます。
軽量なため、サスペンションの動きが良くなり、結果的に路面追従性も向上します。
2.レトロな見た目:オリジナル志向のオーナーや、レトロ感を大切にする人にはぴったりです。10インチでもワイドなディープリムホイールとオーバーフェンダーを組み合わせると、やんちゃな雰囲気に仕立て上がり、これはこれでカッコかわいい感じです。


デメリット
1.ブレーキの制限:インジェクションミニは12インチホイールが標準なので、そのままではブレーキが干渉してしまうため、10インチキットと呼ばれるブレーキキットに交換する必要があります。また10インチホイールでは装着できるブレーキキャリパーやローターが限られるため、強化ブレーキを装着するには制約が出ます。ただレースで10インチホイールを履いているクルマも存在するので、キャリパーやブレーキパッドの選択次第でスポーツ走行にも十分耐えられる仕様にすることは可能です。
2.タイヤの選択肢が少ない:現在では10インチサイズのタイヤは市場にあまり多くなく、選択肢も高価になりがちです。





■ 12インチホイールの特徴
1980年代以降のミニから標準装備されたホイールサイズで、現代の使い勝手とクラシックさのバランスが取れたサイズが12インチホイールです。



メリット
1.足回りの変更が少ない:12インチホイールを標準仕様としているミニが多いため、ホイールを交換する場合も足回りやブレーキを変更する必要は少ない傾向です。
2.ブレーキの制約が少ない:ブレーキの拡張性が高く、10インチよりも大きなディスクブレーキが装着可能。
3.タイヤが選びやすい:タイヤサイズが比較的一般的で、入手性や価格の点でも10インチより有利です。
デメリット
見た目の変化が穏やか:タイヤやリムの幅、オーバーフェンダーの大きさなどによっても変わりますが、純正ホイールと同じ径なので10インチや13インチほどイメージは大きく変わりにくい。


■ 13インチホイールの特徴
迫力のある見た目とカスタム性の高さで人気があるサイズで、97年式以降のスポーツパックなどで純正採用され人気が高いサイズです。

メリット
1スポーティなルックス:タイヤの扁平率が低く、フェンダーいっぱいに広がるホイールは非常に存在感があります。クルマが大きく見えて、高級感も高めることができます。
2.グリップ力の向上:ワイドトレッド化により、安定感やコーナリング性能が向上します。
3.大径ブレーキの装着も可能:最も大きなサイズなので、より高性能なブレーキキットの選択肢が広がります。
デメリット
1.乗り心地の悪化:タイヤとホイールが大きく重くなるため、路面からの突き上げが強く、長距離走行には不向きな面もあります。
2.ハンドルの重さ:ワイドトレッド+大径ホイールのため、ステアリングが重く感じることが多く、特にやや小径なエアバッグ付きのステアリングでノンパワステ車では顕著です。またスポーツパック仕様では、インナーフェンダーへの干渉を防ぐためステアリングの切れ角が制限されており、コンパクトなボディにもかかわらず、あまり小回りは利きません。
3.足回りへの負担:重量増とワイド化により、ハブやブッシュ、サスペンションへの負担が増加する傾向があります。
ホイール選びは、見た目の好みだけでなく、使用目的(街乗りか、スポーツ走行か)や求める快適性、維持のしやすさなど多くの要素を総合して考える必要があります。クラシックミニの魅力はそのカスタムの自由度にもあるため、あえて10インチの雰囲気を大切にするもよし、13インチで迫力を出すもよし、自分だけのミニを作り上げる楽しみをぜひ味わってください。



