厳密に言えば2000年でミニの生産は終了しているから、新車のミニを今から手に入れるのは不可能だ。けれどもほぼ新車、いや新車以上のコンディションのミニを手に入れることはできる。
ミニ専門店の中には、ミニを完全にオーバーホールして作り替えてくれるリフレッシュメニューを用意しているところも少なくない。小さなボディの片隅にぎっしりとパワーユニットや足回りを詰め込んでいる。
不慣れなメカニックならお手上げな構造だけれど、ミニに精通した熟練メカなら、お手のもの。ドンガラにしたボディの錆び取りとリペイントをしたら、丁寧に1つ1つの部品を組み付けて、ミニを組み上げていくのだ。

昔のクルマとはいえ、英国で大量生産によって作り上げられたミニは、日本人メカニックの手によって1台1台丁寧に組み上げられれば、それはもう新車以上のクオリティに仕上がる。
さらにお望みとあらば、自分だけのお望みの仕様にすることだって可能だ。ミニは補修部品だけでなく、アフターパーツも数えきれないほど豊富にある。ボディカラー、外装パーツ、内装の各部仕様、パワートレーンやサスペンション、ブレーキなど機能パーツまで構成を選べるから、組み合わせは無限に近い。
自分の理想のミニを新車以上のコンディションにして作り上げてもらう。何と贅沢なクルマ趣味だろう。
眺めているだけでも楽しめる。もちろん運転すればさらに楽しく、ドライブに行けば走行中も休憩中も満足感に浸れるはずだ。
気になる予算は、仕様や求める仕上がりによって変わってくる。手頃なものなら300万円台でも可能だし、飛び切りの仕様を求めれば1千万円を超えることだって珍しくない。
ただし、ミニ専門店でミニをリプロダクトしてもらう場合、予想以上に時間がかかることも珍しくない。今や新車も長い納期が当たり前になりつつあるが、1台1台丁寧に組み上げるミニは、平均して3ヶ月くらいの製作期間がかかるし、バックオーダーを抱えているショップでは、3年待ち、4年待ちなんてところもある。

ベーシックな仕様で一度完成させて、後からエンジンをチューニングしたり、外装にパーツを追加して楽しむなんてやり方もある。
ともかくミニは一度ビシッと手を入れた状態で手にいれることが、楽しめる時間を増やす確実な方法。結局は出費も抑えられるから、安い買い物となるのだ。