ジャパンミニデイの会場で「これ本物のMkIですよね。それにしてはナンバープレートが新しいですけど、最近購入されたんですか?」と尋ねてみた。「いや、以前は別のところに住んでて、所有してもう20年くらいになるんですよ」と、オーナーの塚辺さん。
京都に持ってきて、京都でナンバーも取り直したそうだが、リアのナンバープレートは排気ガスの燻製のようにすごくいい感じで汚れている。


塚辺さんは、このクーパーSにもう20年ぐらい乗られているそうで、これで4台目のミニになるそうだ。長年、自分で少しずつ部品を集めてはミニ専門店で取り付けてもらって仕上げていったそうだ。
室内も外装に負けじと賑やかな雰囲気だ。オーバル3連のセンターメーターはクーパーSに標準装備だが、その両隣にはスミスのタコメーターと時計、ラリー用のツイントリップメーター、懐中時計やストップウォッチ、コンパスなどが散りばめられる。扇風機やアンティーク風のラジオなども昭和なカスタムに似合っている。
使い込まれたアレキサンダー(ミニのチューニングパーツも手掛けていた往年のブランド)のウッドリムステアリングが、味わい深い表情を魅せる。

シート表皮は新車時のままだ。ブロケードって剥がれるとこんな風になるのだと初めて知った。新車時のままの内装の方確かにいらっしゃるんですけど、ここまで使い込まれているのは初めて見た。
シートの上には専用のクッションが敷かれシート表皮を保護すると共にオリジナルの座り心地を堪能できるようになっている。シートベルトは当時オプションの3点式と、ブリタックスの4点式が奢られている。
MkIIまでの特徴である大きなドアポケットは、当時のラリーカーやレースカーがそうしていたように、スイッチパネルやマップランプのために利用されていて、機能的な印象だ。

ナビ代わりにも使えるスマホのホルダーは非接触充電機能付きで、シガーライターソケットを設置して、使い勝手を高めているなど、実用的でもあることから、塚辺さんがこのクーパーSとの走りをしっかりと楽しんでいることが伝わってくる。
エンジンルームもうオリジナルの状態をキープされていた。エンジン排気量は1275cc。直流発電機のダイナモまでそのままだ。

ボディ塗装は最近やり直しているが、取り付けられているパーツもキレイなのでまったく違和感がない。
もうずっとミニデイには参加している塚辺さんとクーパーSだが、この日やはり存在感は1台際立っていた。オーナーの塚辺さんは「この状態を維持していきたい」と語ってくれた。








