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ミニを大事に快適に乗る方法100(諸説アリ)#1

インジェクションミニはサーモスタットの開弁温度を守れ!

クラシックミニの冷却系は普通のクルマと比べると余裕が少ない。狭いエンジンルームとエンジンルーム側面配置のラジエターというレイアウトは、コンパクトにまとめて全長を抑えるためにイシゴニスが採用したアイデアだった。

そのため本来のコンディションを維持していないと、冷却系の熱交換が上手くいかなくなり、バランスを崩しオーバーヒートを引き起こしやすくなる。そこで水温対策として冷却系の見直しを図るミニオーナーは多いハズだ。

アルミ製の大型ラジエターに交換したり、電動ファンを任意で回せるようにコントローラーやスイッチを追加したり、冷却系でできるモディファイも色々ある。

サーモスタットの開弁温度を変えて、早い段階で冷却水を循環させるのも一般的には水温対策として利用される。しかし、インジェクションミニに限っては、これはNG行為なのである。

というのもインジェクションミニに関しては、サーモスタットの開弁温度は88℃から換えない方がいいからだ。というのもインジェクションミニのECUが監視するパラメーターの中で水温はかなりのウエイトを占めるからだ。

水温が88℃に達して、水路が開いて循環し始めた段階でミニのECUは本来の空燃比へと燃料を調整する。そのため水温が低い状態が長く続くと、その間は燃料を濃いめに噴射し続けてしまう。

それはジワジワとエンジンを不調にさせる原因になってしまうのだ。燃え切らない燃料がデポジットとして堆積し、やがてエンジンの完全燃焼を妨げてしまう原因になってしまうからだ。

それでも高速道路をガンガン走り続けるような使い方をしていればいいのだが、オーバーヒートする不安からゆっくり走っているようなら、さらにデポジットは増えていく。

水温が高めでオーバーヒートの可能性があるなら、原因を追求して対策した方がいい。ミニのエンジンはシリンダーヘッドもブロックも鋳鉄製なので、錆の発生を抑えるには車検ごとのLLC(冷却水)交換はマストだ。

ラジエターは狭いチューブ内に錆や水垢などの不純物が堆積していくと、それが断熱材となって冷却効率を低下させる。それを防ぐためのLLC交換だが、LLC交換だけでは不純物の堆積を解消するのは難しい。

定期的に水路洗浄やラジエター交換をしなければ、本来の冷却効率を維持することは難しい。また水温センサーやサーモスタットなども消耗品と割り切って、4、5年で交換した方がいい。

気候変動もあって夏の暑さは以前より厳しさを増している。ミニを好調に保つには、これまで以上にメンテナンスに気を使ってやる必要があるのだ。

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