ミニを運転するのは楽しいけれど、なんとなくドライビングポジションが合わない、と思っている人も多いのではないだろうか。
特に97年式以降のエアバッグミニは、ステアリングが小さくなって操舵が重いだけじゃなく元々ミニのステアリングコラムがダッシュボードに密着している関係上、ステアリングが寝ていてペダルに合わせてシートポジションを取るとステアリングが遠くなってしまうケースが多かった。

現代のクルマはステアリングの調整機構としてチルト(角度)とテレスコピック(前後)が調整できる機能が備わっているクルマが多い。しかしミニは設計が古いだけじゃなく、コンパクトなボディで広い室内を実現するためダッシュボードは短く、ステアリングコラムもなるべく立てて(ステアリングは寝かせる)ように作られたのだ。
これもミニらしさと言える部分ではあるのだけれど、60年代からミニにはこのドライビングポジションの違和感を改善するパーツが用意されている。それがステアリングアジャスターと呼ばれるパーツだ。


文字通りステアリングを調整するもので、コラムシャフトをダッシュボード底部に固定している部分に割り込ませることでステアリングの角度を下げてリム最上部を手前に持ってくることができるのだ。
取り付け作業は、純正のボルトがイジリ防止のため六角部分が削り落とされているため、抜くにはエキストラクター(逆ネジタップ)を打ち込む必要があるし、ステアリングラックの角度も一緒に変えなければ、ストレスでピニオンギアが壊れてしまうから、ミニ専門店で取り付けてもらう方が安心だ。
ステアリングアジャスターには形状やサイズがいくつかあり、年式によっても対応する商品が異なる。自分のミニに対応するモノで好みのサイズを選び、適切に装着してもらって、快適なドライビングを楽しもう。