納屋をそのままガレージとして利用したり、納屋を改装してガレージとして使うケースは多いだろうが、ここまでしっかりとガレージへと作り込んだ例は少ないだろう。その作りや使われ方に、ミニへの愛情を感じられずにはいられないのである。
周囲は田畑が広がるのどかな風景。そんなところに建つ納屋の奥を覗くと、何やらミニが収まっているガレージになっているという、隠れ家的要素も感じさせるのである。
ここで紹介するのは、ミニ好きの中でも飛び切りのマニアと言っていい。「ぷっちょ」のハンドルネームで筑波サーキットで開催されているレースイベント、スーパーバトルオブミニに参戦し、幾度もチャンピオンを獲得している湯浅健人さん、である。
ミニが好きなことは言うまでもない。18歳になるや、運転免許を取得してミニを手に入れ、レースに街にと走りを楽しんできた。
その一方で走るばかりでななく、ミニをモディファイやメンテンスすることで、走りを維持しより洗練させている。それも湯浅さんにとっては楽しみなので、ガレージは必須なのである。
家業が農家だった頃に利用していた納屋を改装したガレージで、ミニを保管しながらメンテナンスやモディファイを楽しんでいる、という訳なのだ。
自分たちでできる範囲でガレージを作り、そこでミニを弄って楽しむ。そんな姿勢が何とも自然でいい。今は友人のミニを保管しながらメンテナンスを行う一方で、自分のミニもメンテナンスやモディファイを楽しんでいる。
ガレージの工夫やメンテナンスの様子にオーナーの人柄が表れる
一歩足を踏み入れると、ミニ好きには夢のような空間。メンテナンスのための工具や機械、パーツたちに囲まれた湯浅さんの趣味の世界だ。
壁にはお手製の棚があつらえられ、スペアパーツやミニカー、トロフィーに雑誌と、ミニ関連のアイテムが並べられている。この詰め込み感にも湯浅さんのセンスが感じられる。
現在、手掛けているのはADO16シリーズと呼ばれる、ミニの兄貴分となるMGの2ドアセダンだ。ミニと比べるとパーツが少なく、レストアするにもチューニングするにも一工夫が必要な車種ではある。

そのため湯浅さんらは、アダプターを介してサブフレームをミニ用に変更、これによってミニの豊富なサスペンションパーツが使えるようになるのだ。
比較的剛性の高い2ドアのボディにロールケージを組み込んでいるボディを見ると、これがサーキットを走る姿を想像して、何とも楽しくなる。そういったことまで含めて製作を楽しんでいることが、伝わってくる。
しかも湯浅さん、プロのメカニックでもなければエンジニアでもなく、仕事は建築関係の技術営業なのだとか。それでもミニ愛が高じてフルコンも独学で習得したというから凄い。
それでいて真っ白なモークのほかにも湯浅さんミニを複数台所有している。最初に購入したミニも未だに所有しており、ビンテージミニであるMkIIも所有。ガレージの中はメンテナンス中のミニ等に占領されてしまったが、屋根が長いのでここも車庫として利用し、普段は毛布とボディカバーで大事に保護して保管している。



このガレージで、大好きなミニとその仲間を思う存分、イジり倒しているのである。何とも羨ましい話ではないか。
び走れるようにしたいクルマたちも並べられている。
これからも当分、この愉しみは続く。見ているだけでそう想像できるほど、湯浅さんのミニライフは充実しているのだった。